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資生堂の新アプリ「Beauty Key」、顧客、得意先、メーカー三方位のニーズ最適解

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創業150周年を迎えた資生堂が、新たな会員サービス「Beauty Key」を2022年9月12日より開始。化粧品専門店、デパート、GMS、ドラッグストアの一部での導入が始まった。これにより、従来、販売チャネルやブランドごとに提供していた会員サービスを、1つのIDに集約することで、顧客一人ひとりに合ったシームレスなカウンセリングや美容サービスなどの会員特典を提供する。その目指すところは、どこにあるのか。Beauty Keyをリードする資生堂インタラクティブビューティー株式会社 デジタル戦略部 戦略企画グループ  グループマネージャーである木子正崇氏と大槻開氏に話を聞いた。

One IDで会員情報を一本化しサービス向上

2030年、日本のビューティ市場は45歳以上が約7割を占めるとの予測がある。平均寿命のみならず、健康寿命も伸びているなかで、生活者の美容ライフも長期化していく状況は、化粧品メーカーにとって、一人ひとりの顧客と長い付き合いをする時代に入っていくことを意味している。

他方、生活者のデジタルとの接触機会や時間に目を移すと、すでに60代女性でも9割がスマートフォンを持っており、1日あたりの利用時間も年々増加の一途をたどっている。生活者に流れ込む情報が増え続けることで、顧客に届けたい情報が埋もれてしまい、届きにくくなっているとの課題がある。

こうした背景を受け、資生堂は、顧客一人につき1つのID(One ID)を付与し、これまで小売店ごとに持っていた顧客情報を、小売店を横断して総合的に把握することで、ユーザーと継続的につながり続けるための新会員サービス「Beauty Key」の開発に踏み切った。

One IDとすることで、応対履歴や購入履歴、顧客のお気に入りのブランドからの美容情報などを公式スマートフォンアプリ(以下、アプリ)内で一元化。顧客は場所や時間を選ばず自分にパーソナライズした情報とサービスが受けられ、小売店は顧客ニーズに寄り添う満足度の高い接客が実現できるとする。

大槻氏は、「(顧客が受け取る)情報が増えれば増えるほど、『本当に今の私に合っている化粧品やスキンケアの方法は何だろう?』というお客様の課題意識が、ますます強くなっていくはずだ。このような時代の変化や顧客の変化に合わせて、我々メーカーも変わっていかなければならない。もはや購買体験は店頭で完結するものではなく、店頭とデジタルを融合して、パーソナライズされたコミュニケーションを図りながら、OMOの購買体験を作っていくことが求められる。そのために必要だったのが、我々と小売店とお客様をつなぐBeauty Keyだった」と説明する。

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