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阪急グループとストライプデパートメントが探求し続ける、EC購入体験の豊かさと深さ

◆ English version: Show Offline and Sell Online
 — Part 1: Hankyu Beauty Online and Stripe Department

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経済産業省調べでは、日本の化粧品(医薬品含む)のEC化率は2017年の実績で5.27%、市場規模は5,670億円だ。これまで日本では、アマゾンや楽天、ロハコなど、生活に密着したプラットフォームがビューティ関連商品を含むEC市場全体を牽引してきたが、化粧品では美容に特化したいわばセレクトショップ型のECも順調に伸びている。今回は前編としてHANKYU BEAUTY ONLINEとストライプデパートメント、後編としてmeecoと@cosme shoppingの4つのショッピングサイトのそれぞれの戦略について考察する。

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出典: Hankyu Beauty Online 公式サイト

前編の今回はまず、顧客体験を重視し、自社の特性を強く打ち出している、百貨店ECおよびセレクトECの実例を紹介したい。株式会社阪急阪神百貨店が手がける「HANKYU BEAUTY ONLINE」および株式会社ストライプデパートメントによる同名の「ストライプデパートメント」だ。

店内×店外×デジタルで攻める阪急阪神百貨店

「若年層を中心に、“店舗で体験して、ECで購入する”という流れが加速していることを感じている」と話すのは、阪急うめだ本店ビューティー営業統括部・化粧品商品部バイヤーの松井隆朗氏だ。

一番大きな流れをつくっているのはミレニアル世代や、ジェネレーションZ。こうした若い世代に向けた店舗「HANKYU BEAUTY STUDIO」(2018年8月オープン)が活性化していることは大きい。狙ったターゲットそのものの客層が来店しており、リップバーやデジタルメイクシミュレーターで“体験”を楽しむ。そして体験の場所としてだけでなく、店頭を“オンラインで購入した商品を受取る場所”と考えて利用する顧客も増えているという。

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HANKYU BEAUTY STUDIO
撮影:編集部

さらに、体験した商品をその場でECで購入できるという逆転の発想の売り場もある。阪急うめだ本店に加え、千里阪急、川西阪急、宝塚阪急、三田阪急、関東の都筑阪急の6店舗には「HANKYU BEAUTY E-STATION」という名称のEC用ショールーミングスペースが設置されている。店頭で試して、その場でECで購入するという仕組みづくりのひとつだ。各店舗で取り扱っていないブランドや商品も、スペースに設置してあるタブレットから購入できる。また、ECで購入した商品をこのショールーミングスペースで受取ることもできる。

このサービスにより、時間や場所に捉われない新しい買い方を提案できたと松井氏は話す。店舗とECとの連動は顧客のさまざまなニーズを満たすが、なかでも「店舗受取サービス」の潜在力が非常に大きいことに気づいたという。ECに注力することで、むしろ店舗が活性化する傾向があるというのだ。

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