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美容大手R&Dとスタートアップが交流、フランスCosmetic360から生まれる未来

◆ English version: France’s Cosmetic 360 and the beauty of business
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毎年10月にパリで開催される化粧品の国際見本市「コスメティック360」。概要と2017年開催の内容については以前レポートしたが、今年も10月17日、18日の2日間にわたってルーヴル美術館直結のイベントホール「カルーゼル・デュ・ ルーヴル」で開催された。

コスメティック360は、フランス国家から競争力産業クラスターに指定されているコスメティックバレー(Cosmetic Valley)の主催で、製品、原料、検査、生産などさまざまな分野のイノベーションを提案すべく、前年より10%増の220企業が参加した。そのうちの約30%が外国企業で、来場者も昨年より12%増え、2日間で約5,000人が訪れた。

Image:Cosmetic360提供

この見本市の特徴は、大企業、中小企業、スタートアップ、研究機関など、規模の異なる企業・団体が交流するプログラムが数多く用意されていることだ。昨年に引き続き、Open Innovation、4日間で新製品の試作品を開発するHackathon Maker、また今年はスタートアップと大手企業が直接ステージ上で対話する「Studio Start-up」というプログラムも実施された。このような交流プログラムが充実しているのは、大手、中小企業の双方にメリットがあるからだろう。世界各地で生まれるイノベーションの「マリアージュ」により、業界全体のさらなる活性化が期待される。

フランスの化粧品産業は国内産業において輸出額で第2位ということもあり、コスメティック 360は毎年、経済・財務大臣が会場を訪れる。フランスが国を挙げて「スタートアップ大国」に向けてイノベーションに力を入れていることはすでに紹介したが、現役大臣のブリュノ・ル・メール(Bruno Le Maire)氏の視察はコスメにおけるスタートアップ、イノベーションにも関心が高いことを印象づける。

Image:Cosmetic360提供

さて、前述した今年のプログラム3つについて、内容を紹介していこう。

大企業と直接商談できるOpen Innovation

これは、中小企業やスタートアップが大手企業に直接商談できるオープン・イノベーションだ。2018年度は、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ピエール・ファーブル、ロレアル リサーチ&イノベーション、LVMH Recherche、 Puig(プイグ)、Rodan+Fields(ロダンアンドフィールズ)、Yves Rocher(イヴ・ロシェ)の7社のR&D部門の門戸が開かれた。

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