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完美日記だけじゃない。GirlCultなど勢いのある中国新興8ブランドを紹介

◆ English version: Beyond Perfect Diary: 8 new Chinese beauty brands to watch
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アリババグループ傘下のTMALL(天猫)が11月11日に開催するセールイベント、ダブルイレブン(双11)。2019年に中国ブランドとして初の売上ランキング1位となったのが、2016年にローンチされたばかりの新興ブランド「PERFECT DIARY(完美日記)」だ。かつては海外ブランドが上位を占めていたが、人気・実力ともに肩を並べる存在になりつつある。PERFECT DIARY以外にも、数多の新興ブランドが次々と誕生している中国。その活況の背景を探りながら、話題を呼んでいる8ブランドを紹介する。

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出典:PERFECT DIARY公式サイトより 

新興ブランドが増えている背景には、まず、国産ブランドを推奨する昨今の風潮がある。特に「95后(1995年以降生まれ)」や「00后(2000年以降生まれ)」といった世代は、国産ブランドへの抵抗がない。また、SNSの発展も要因のひとつで、立ち上げたばかりで資金力も知名度もないブランドが、コストをかけずに手軽にマーケティングでき、95后や00后との親和性も高いからだ。

こうした中国ブランドの拡大を受けて、化粧品製造にまつわる環境も大きく変化した。OEMやODM(企画計画・設計、開発、生産製造受託)、OBM(商品コンセプト・デザイン創出、商標登録、販売受託)企業が増加している。調査会社・前瞻産業研究院のレポートによると、2017年の化粧品OEMの市場規模は前年比で約2割も増え、448億元(約7,000億円)となっている。

好調な市場も後押しする。米中貿易摩擦などの影響で中国の景気は低迷するなか、“世界一の市場”である自動車の販売台数は2018年に28年ぶりの前年割れとなった。ところが化粧品市場はまったくその影響を受けておらず、東方証券が発表したレポートでは、2018年の市場規模は前年比12.3%増の4,105億元(約6兆4,000億円)と非常に高い成長率だった。投資家にとっても魅力的な市場であり、スタートアップが資金調達をしやすい環境にあるといってよい。

かくして乱立する新興ブランドだが、知名度や資金力で劣る新興ブランドが大手に伍していくためには、他にはない特徴を打ち出すことが必要だ。新興ブランドの戦略を大きく3つに分類し、紹介する。

その1:R&D重視

知名度にかける新興ブランドにとって重要なのは、消費者からまずは信頼を得ることだ。R&Dを重視する姿勢は消費者の心を掴みやすい。

■「HomeFacial Pro(HFP)」
広州蛋壳網絡科技が2014年にローンチしたスキンケアブランドで、「成分で皮膚を揺り起こす」をコンセプトに、ヒアルロン酸やニコチンアミドなどの配合成分にこだわっている。2015年に開設されたラボでもある「HFP実験室」は商標登録され、ブランディングにも利用されている。同社のウェブサイトや報道によると、P&Gで10年以上の経験を積んだスタッフも在籍し、日本のラボとも提携しているという。Weibo公式アカウントのフォロワー数は12万超、SNS型ECアプリ「RED(小紅書)」公式アカウントのフォロワー数は11.6万超。主な販売先はTMALLで、ダブルイレブンには4年連続で参加し、2019年はHFP原液シリーズの販売数が169万本を突破。0.05秒に1本売れた計算となり、売上は過去最高の3億元(約46.8億円)を超えた。

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