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中国初のFaB開催、テック先進国で消費者が求めるニューラグジュアリーとは

◆ English version: FaB’s first China event explores new luxury’s appeal to tech-savvy consumers
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2019年9月4日、FaB(Fashion and BeautyTech Community)コミュニティの支部の1つ、FaB Chinaの記念すべき第1回ミートアップが上海で開催された。大規模な市場を背景にデータ・ドリブンなスタートアップが続々登場し、グローバルな注目が高まる中国で何が起きようとしているのか。FaBコミュニティ創設者のオディール・ルジョル氏も駆けつけたパネルディスカッションの模様をレポートする。

イベント開催に先立ち、集まったメディア向けに、ルジョル氏と今回の上海ミートアップのホストであるウィリアム・ラウ(William Lau)氏への質疑応答を中心とする、小規模なプレスミーティングが行われた。

その席で「なぜ上海をFaBコミュニティの場所に選んだのか?」と尋ねられたルジョル氏は、仏ランコムのCEOを務めたのをはじめ、長年美容業界に従事した経験からも、ここ5年の中国市場での美容関連製品の売上げの伸びは驚異的であるとして、マーケットへの興味をそそられたと明かす。

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左:ウィリアム・ラウ氏
中央:オディール・ルジョル氏

あわせてルジョル氏は、カフェやギャラリーが多くファッショナブルなフランス租界地などを散策するなかで、上海の女性たちの美容や健康への深い気遣いと意識の高さに感心し、同時に上海が、ニューヨークやパリに匹敵する国際都市であることを肌で感じ取ったとする。

中国の場合、さまざまな商品の購買層は生活水準によって大幅に異なり、求めるものも当然違う。そんななかで、消費者として購買力をつけ、ライフスタイル全般のグレードアップを希求するミレニアル世代をネットワークし、ニューラグジュアリーを提案するマーケティングがコスメやファッション業界には欠かせないと、ルジョル氏は考えている。

一方、ラウ氏は15年にわたって、中国における美容やファッション分野のマーケティングと投資におけるオピニオンリーダー的な存在である。ラウ氏によると中国の美容マーケットは、欧米のマーケティング方法を参照し、ときに模倣しながら整えられてきた。だが、とくにハイエンドな部分でマーケットが成熟してきた今、「こんにちの主な消費者は誰か?」と、考え方を問い直す時期であると指摘する。あわせて、今後は中国のブランドが世界のマーケットに向けて発信を行う機会が増えるであろうと予測し、国際的なアピールの仕方が不十分だったり、慣れていない美容ブランドのサポートをしていきたいと語った。

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