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炎上騒動で中国市場から締め出されたD&Gの事例から考える、その後の結末

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11月中旬、ファッションブランド・ドルチェ&ガッバーナが、中国人女性モデルを使った揶揄的なプロモーション動画を公開。また同月下旬には、デザイナーのステファノ・ガッバーナが中国を卑下した投稿をネットでさらされ、大炎上するという騒動が起きた。SNS時代は、ネガティブニュースはあっという間に世界中を駆け巡る。世界市場の中でも大きな力を誇る中国での炎上事例とその後の経緯をみてみよう。

ドルチェ&ガッバーナ(D&G)の炎上騒動は、日本をはじめ多くの国々で深い印象を残した。あの有名ブランドであるD&Gが、多くの中国人やファッション関係者の批判にさらされた挙句、わずか数時間のあいだに中国国内ECから締め出しを受けるなど社会的制裁の対象となり、謝罪動画を公開する事態にまで追い詰められたからだ。

Image: Nadir Keklik via Shutterstock.com

中国外交部が「今回の事件は外交問題にしない」と声明を発表したためか、国営メディアが積極的に批判を加える様子はない。しかし、中国共産党の下部組織「共青団」のオフィシャル微博アカウントは「我々は外国企業の中国での発展を歓迎している。それと同時に中国で経済活動を行う外国企業については、中国や中国人民への尊敬の気持ちはあってしかるべきだと考えている。これはどんな企業でも第三国で経済活動を行うにあたっても最低限のマナーだ」と一瞥

ファッションメディアである時尚与娯楽館網も「D&Gは今回の事件が中国で報じられるようになった当初、謝罪するどころか自分たちは不幸な出来事に遭ってしまったという態度であった。D&Gのデザイナーは炎上マーケティング手法によって世論の注目を集めたつもりかもしれないが、それは低俗で道徳心のかけらもない。(中略)中国人民はD&Gが中国から撤退することを望んでいるし、これは自業自得の結果である」と厳しく批判を寄せており、事件の余波はいまなお根強いと言えよう。

騒動後、中国国内ECの判断も早かった。京東は、自社が運営する「京東時尚」「海囤全球」「京東美粧」の3つのサイトから全D&G製品を即座に排除。タオバオの運営する「天猫」(T-mall)、網易の運営する「考拉」(コアラ)、「小紅書」(レッド)、蘇寧電器の運営する「蘇寧易購」などのECサイトも、関連商品の販売を相次いで中止した。

オフライン店舗としては、香港にあるイギリス系大手百貨店・レーンクロフォードが、D&G商品の販売中止を公式に発表している。化粧品業界にとどまらず、いまや中国市場はあらゆる業種にとって圧倒的な購買力を抱えた“上級顧客”である。D&Gの事件は、あからさまでバッシング対象となっても仕方ない事例ではあるものの、どんな振る舞いや要因が中国市場を刺激するかは各企業にとっても非常に気になるところだろう。

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