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中国「言安堂」スキンケアの専門情報とコミュニティ、ECで新たな価値提供へ

◆ English version: Chinese membership-based platform Yanantang, a hit with Key Opinion Consumers for its expert skin care tips and products that catering to Asian skin
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スキンケアのニーズが大きい中国の化粧品市場に、スキンケア分野に特化した情報提供をするサービスが登場して話題になっている。オウンドメディアとECをあわせもつ会員制プラットフォーム「言安堂」だ。その特徴を紹介するとともに、今後について展望してみたい。

スキンケア製品の安全性や成分への関心を高める中国消費者

東莞証券のレポートによると、2019年の中国化粧品市場は4,777億2,000万元(約7兆7,000億円)だったが、うち5割以上の2,444億1,500万元(約3兆9,000億円)はスキンケア関連だ。2020年は中国でも新型コロナウイルス感染症の感染拡大に見舞われたが、マスクを着用する機会が増えたことやステイホーム生活のストレスからくる肌荒れなどの悩みもあり、スキンケアへの関心がさらに高まったとみられる。

なかでも安全性や成分への関心が高く、中国メディア第一財経とアリババグループの共同調査機関・CBNDataのレポートによると、2020年2月以降、インターネットでは化粧品成分に関する検索数が増えている。とくに若い世代にその傾向が顕著で、「90后(1990年以降生まれ)」や「95后」による検索数は、「80后」や「85后」の倍以上だ。そうしたなかで、最近注目を集めているサービスが「言安堂」だ。

言安堂の創業者はユニリーバの研究開発出身

言安堂は、復旦大学発ベンチャーの「言安堂是黛芮生物科技(上海)」によって2016年にローンチされた。創業者の趙国慶CEOはユニリーバで研究開発に携わったのちに、米ODM/OEM企業Dermaceutical Productsの中国法人・輝達生物医薬(蘇州)の総経理を務めた。その後、復旦大学のMBAで学び、言安堂を立ち上げた。同社は2018年、上海市大学生科技創業基金会が主催するイベントでエンジェルファンド賞の優秀プロジェクトに選ばれている。

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WeChatでの展開がメインの言安堂
出典:言安堂WeChat公式アカウント

言安堂はWeChatの購読アカウントをオウンドメディアとして活用し、スキンケアに関する情報発信から事業を開始した。化粧品を設計・開発するフォーミュレーターや美容皮膚科医師などの専門家が、海外のデータ等も引用しながら成分の解説や化粧品選びなどについて記事を執筆している。なかには、肌質をDNAレベルで解説する専門性の高い記事もある。

同アカウントでは、毎年化粧品のカテゴリーごとに賞を決める「成分党大賞」を発表している。「成分党」とは読んで字のごとく「化粧品の成分にこだわる」ことを指し、中国で最近よく使われる言葉だ。

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