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店舗の顧客行動を可視化した先は? 3段階で考えるネットワークカメラとAI解析ツール

◆ English version: Making ‘new retail’ a reality: ABEJA’s 3-step plan for AI in Japan’s stores
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実店舗で、商品の売れ行きのみならず、顧客が商品を手にとったり、カートに入れる、あるいはトライアルや試着をするといった行動そのものを把握・分析するインストア・アナリティクスの領域がある。そこでは、ネットワークカメラと人工知能(AI)を組み合わせたソリューション(以下、AI解析ツール)の利活用がトレンドになり始めている。美容を含むリテール業界にAI解析ツールがもたらすメリットと課題とは。

AI解析ツールには、取得した画像および動画データをクラウドに送信して解析するタイプと、いわゆるAIカメラ内でデータを処理して分析結果だけを抽出するエッジコンピューティングタイプがあるが、日本では、ビームス、JINS、パルコ、フランフラン、SABON、農業協同組合(JA)など業界をまたいで導入が進んでおり、今後、その数はさらに増えていくことが予想される。

店舗分析でトレンドになり始めたAI解析ツール

一方で、関連システムの開発競争も加速している。パナソニックはAmazon Web Servicesと提携し、「Vieureka」(ビューレカ)という実店舗向けAI解析ツールを提供開始している。その他にも、GMO(Diversity Insight for Retail)、フジテックスなどが類似サービスの提供に乗り出しており、海外ではテンセントとインテルが提携し「DeepGaze」というAIカメラの展開を小売事業者向けに開始したという報道もありプレイヤーが続々増加する勢いだ。また、九州拠点のスーパーマーケット・トライアルでは、18年2月からAIカメラの導入を開始しているが、同年末には自社独自に1000台を量産完了した。外部のソリューションに頼るのではなく、AI解析ツールの内製化を試みている形だ。

Googleが評価したAI解析ツールの仕組みと実用例

では、それら店舗解析サービスの具体的な中身はどうなっているのか。今回は小売店へのソリューションを得意とするAIベンチャー、ABEJAの伊藤久之氏に話を伺った。ABEJAはディープラーニングを活用して、各業界の効率化・自動化を支援するスタートアップで、IoT、AI、ビッグデータ解析という領域では日本国内、また世界からも高い注目を集めている。

昨年末には、Googleから資金調達を行ったことでも話題となった。特に小売流通業に特化したAIソリューションは他社や大手に先駆けて展開している。伊藤氏は、リクルートやJTB、複数社のスタートアップに勤めた後にABEJAに参画。同社が提供する人工知能を使った店舗解析サービス「ABEJA Insight for Retail」の事業責任者を務めている。

AI解析ツールが取得・分析の対象とするデータは、システムを開発する企業によってさまざまだが、ABEJAでは現状、「来客数計測」や「店前通行数計測」、「年代性別推定」、「動線分析」、「リピート推定」などを取得しているという。

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