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美容業界のOMO設計は、働く人のジャーニーをも重視すべき。電通SXの提言【後編】

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電通グループ7社は米フロッグ・デザイン(frog design)と提携し、OMO(Online Merges Offline)時代に沿ったオンオフ統合の購買体験をデザインするプロジェクト「dentsu SX」を立ち上げた。前編に続き、参加メンバーの1社である電通デジタルでビジネストランスフォーメーション部門の部門長を務める安田裕美子氏へのインタビュー後編は、コロナ禍でみえた化粧品購買体験の課題と施策、OMO展開の基盤となる従業員体験の設計などについて聞いた。

パンデミックでオンオフ二極化が加速、使い分けする人も

――dentsu SXは先日コロナ後の化粧品ユーザーの購買体験について調査を行った。どのような変化がみられたか。

安田氏: 2,000人にスクリーニング調査を行い、そのなかから複数にデプスインタビューを実施した。コロナ起因の購買活動の変化やゲイン/ペインポイントの傾向を掴むことができた。特徴的な3つの顧客セグメントがみえてきたので紹介したい。

■オンオフ併用層はEC利用で発散

1つ目のセグメントは、もともと化粧品購入で百貨店とECを併用していたが、パンデミック後にEC利用が増加したという層。外出自粛で買い物に行けないストレスもあり、いまでは失敗覚悟でECを利用し、「ハズレ」の場合はメルカリで売るなどオンラインショッピングをストレス発散装置としても楽しんでいる。

この層はスキンケア商品や医薬部外品は店頭で確認して購入するなど、店舗とオンラインをうまく使い分けている。ECに親しむようになったからかもしれないが、ネットには信頼できる情報が少ないと感じ、BAなど専門家に対する信頼感が以前より増しているようだ。

■オフライン主流層のとまどい

2つ目は、化粧品は百貨店で主に買い、ブランドの公式ECサイトをたまに利用する程度のオフライン層。この層にはオンライン接客などのアプローチをブランド側は仕掛けているが、コロナ禍でオンライン接客を受けても、一度も会ったことがない「関係貯金」がないBAからのアドバイスに「本当に私のことを分かってくれているのか」という疑念を抱き、オンラインでは店頭接客を代替できないと、オンラインへの移行にとまどっている層もいる。コロナ前との違いとして、やむを得ず大手ショッピングサイトでオンラインのレビューを参考に購入せざるを得なくなっている状況。

■オンライン完結型は不満なし

3つ目は前述の層とは対照的なオンライン完結型のデジタルネイティブ層。デパコスからネットで手軽に買える韓国コスメに乗り換えたが特段不満はない。TwitterやInstagramでメイクのトレンドを知り、YouTubeで使用感や発色を確認。@cosmeやLIPSでレビューを読み、キャンペーンを実施しているECサイトで購入するというZ世代の典型的なタイプ。

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