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フェムテック系福利厚生サービスは健康経営に必須、女性や家族の選択肢を拡大へ

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フェムテックなど女性のヘルスケアに特化したサービスを福利厚生に取り入れる動きが日本でも徐々に広がりをみせている。月経随伴症状による経済的損失は1年間で6,828億円(※1)、不妊治療による離職を経験した女性は23%というデータ(※2)が示す通り、女性のヘルスケア、リプロダクティブ・ヘルスは、個々のプライベートな領域ではなく社会全体で取り組むべき課題といえる。日本で展開されているフェムテックを活用した企業向けの福利厚生サービスを紹介する。

※1:経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」(平成31年3月)
※2:厚生労働省「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」(平成30年3月)

famione(ファミワン):LINE活用でいつでも気軽に妊活相談ができる

2018年のスタート以来、利用者数を着実に増やしているのが、株式会社ファミワンの妊活中のカップル向けパーソナルサポートサービス「famione(ファミワン)」だ。

不妊症看護認定看護師や臨床心理士など、妊活の専門家からLINEで無料のアドバイスが受けられ、病院選びなどの相談ができる。当初から個人向けのサービスだけではなく企業との連携も行い、小田急電鉄やミクシィなどが福利厚生として正式導入してきた。妊活に取り組む従業員への個別サポートだけでなく、管理職や若手社員向けの啓発、月経トラブルから更年期など女性特有の健康問題全般についてセミナーを行うなど、企業の風土づくりから支援している。企業での妊活セミナーの満足度は90%を超えているという。

2020年には福利厚生サービス大手のベネフィット・ワン(導入企業1万2,300社/2021年6月時点)、さらに同年6月には、契約数業界最多1万2,600社超の福利厚生倶楽部を運営するリロ倶楽部とも提携し、月額3,980円のプレミアムプランを25%割引で利用できるなど幅広い層からアプローチしやすいサービスとしている。

FireShot Capture 354 - ファミワンの妊活・不妊治療福利厚生 - benefit.famione.com

出典:ファミワン

WanaB:現役の医療従事者による不妊治療サポートサービス

2021年4月にローンチした「WanaB」は、胚培養士である川口優太郎氏が代表を務めるリプロダクティブサポートファーム東京による企業・事業者向けの不妊治療 福利厚生サービスだ。

監修者やサポートスタッフとして医療従事者が名を連ねることはよくあるが、不妊専門の、しかも胚培養士がトップとなって事業を率いるというケースは珍しく、それがこのサービスの大きな強みとなっている。不妊治療に関する研修や相談窓口の設置、従業員向けに不妊カウンセリングや治療のコーディネートなどを行なうが、対応するのはすべて不妊治療機関で働いている現役の専門医療スタッフ。臨床現場での経験から患者のリアルな声をいち早く吸い上げ、サービスに生かしている。

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