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すべて試せる「H.E.A.T」、「健康星球」はヘルスケアID構想、急成長の中国新興小売店

◆ English version: The H.E.A.T is on with the trailblazing growth of China’s cosmetics retail chain newcomer
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近年、中国でプレゼンスを増す化粧品小売店だが、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響が少なくなかった。しかし、そうしたなかでも新たな小売店が誕生し、多店舗展開で成長している。新登場した注目の店舗ブランド「H.E.A.T」と「健康星球」の2社と人気の背景を紹介するとともに、業界の行く先について考察する。

化粧品ユーザーの8割以上が実店舗での購入を望む中国

中国の化粧品市場は、オンラインチャネルの比率が高まるにつれ、百貨店や総合スーパー(GMS)といった、かつては主流だった販売チャネルの比率が年々低下している。そのなかにありながら、シェアを伸ばしているのがオフラインの化粧品小売店だ。

そのランキング上位に位置するのが、香港の長江和記実業が運営するワトソンズや、LVMH傘下のセフォラだが、昨年はパンデミックの影響により、ドラッグストアにカテゴライズされるワトソンズ、そして同じく香港系のMannings(万寧)などが大量閉店を余儀なくされた。

しかし、コロナ禍にもかからず新興小売店の一部は店舗数を増やし堅調だった。以前の記事で紹介したNOISY Beauty(声名大噪)は2020年2月末にプレシリーズAラウンドで1,000万元(約1億7,000万円)以上を調達し、THE COLORIST(調色師)も親会社のKK集団が8月にシリーズEラウンドで10億元(約165億円)を調達した。

ロイターの調査によると、中国の化粧品ユーザーの86%が実店舗での購入を第一の選択に考えているが、それは没入型の購買体験を求めているからだという。つまり、たくさんの商品に取り囲まれ、心ゆくまでアイテムを吟味し、あれこれ試せる実店舗のショッピングの楽しさを望んでいるのだ。その傾向はコロナ禍の自粛生活の反動でより高まったともいえ、好調な新興小売店は、そうした特に若い層をうまく取り込んだとみられる。

このような背景もあり、既存店だけでなく、新たな小売店も誕生している。なかでも急速に店舗数を増やしているのが「H.E.A.T(喜燃)」だ。

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