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「MVFW2023」「障がい者サポートビューティ」がキーワード【海外トレンド 2023年3月- 4月】

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毎月1回、ビューティ業界にインパクトを与える海外ニュースを俯瞰し、注目すべきポイントと報道の裏側にある背景を解説。グローバルな視点からビジネスの潮流を紐解く。今回は、ディセントラランドで開催された第2回「メタバースファッションウィーク2023」と、身体的な障がいを持つ人のために開発されたインクルーシブな美容製品を紹介する。

アモーレパシフィックも出展、メタバースファッションウィーク2023

★注目ポイント
「Future Heritage(未来の遺産)」をテーマに、インタラクティブなメタバース世界が伝統とテクノロジーの架け橋となることを目標に掲げ「メタバースファッションウィーク(MVFW)2023」が開催された。2022年には暗号通貨業界で倒産が相次ぎ、また、目新しさが薄れたことなどを受け、最近では世の中のメタバースへの関心が低下気味であるのは否めず、一般からの反応や参加数は前回に比べるとやや低調だったMVFW。だが、テクノロジーの発展は永続的であり、ブランドにとってWeb3時代における存在感を高め、メタバースの可能性を追求する機会としてのMVFWの意義は大きい。

第2回となるMVFW が、2023年3月28日〜31日までの4日間にわたり開催された。運営元のディセントラランド(Decentraland=DCL)によれば、メイン・ランウェイをはじめとするファッションショーやパネルトーク、アトラクション、パーティなど、ファッションブランドやDCLを活動の場にするクリエイターが主催した120超のイベントが開かれ、参加者は2万6,000人にのぼり、そのうちの50%が初めてDCLを訪れた人だった。

ファッション業界からは、ドルチェ&ガッバーナ、トミー ヒルフィガー、コーチ、DKNY、アディダス、ディーゼルなど、63社が参加。それぞれデジタルウェアコレクションやNFTを発表したり、特設会場を設けてアトラクションを提供した。

一例では、アディダスがウォールランナージャケットのアバター用ウェアラブルを5,000枚配布したほか、トミー ヒルフィガーは、毎日新しいデジタル商品をドロップし、ドルチェ&ガッバーナは、多くの新進気鋭のデザイナーが参加した「Future Rewind」コンペティションの受賞作品を展示。また、DKNYは、自社のランドマークである米ニューヨーク・ソーホー店のイメージをメタバースに持ち込み、アートギャラリー、ピッツェリア、ルーフトップラウンジを備えたブースを設営した。

美容ブランドではアモーレパシフィックが出展し、メタバース空間に「New Beauty Land」をオープンした。このバーチャルビルディングの外観は、韓国・ソウル中心部にあるアモーレパシフィックの本社をモチーフにしており、同社のビジョンである"Live Your New Beauty"をテーマに3つのフロアで構成。1階はポップアップブースで、来場者が参加できるクエストを備えたフォトゾーンとし、2階は「イニスフリー」「ラネージュ」などアモーレパシフィックの代表的なブランドを展示。3階ではMVFWに先駆けて開催した「Colors of New Beauty」コンテストの入賞作品である12点のNFTアートワークを紹介した。

アモーレパシフィックは、DCLに設けたNew Beauty Landは、同社の哲学とブランドをグローバルの消費者に認知してもらう良い機会と位置づけており、今後もWeb3にもとづいたさまざまなプロジェクトを展開していくとする。

このほか、MVFW初の公式スーパーモデルを務めたバーチャルインフルエンサーのTangpokoは、4日間のイベントの顔として活躍。Vogue Singaporeによるルーフトップ・ファッションショーやDJ Sarah Mainによるクロージングパーティなどにも登場した。

さらには、DCLファッションコミュニティから11人の才能にスポットを当てたコミュニティファッションショーも開催された。メタバース界のトップクリエイターがデザインした30以上のアバターが披露され、自然をイメージしたデザインからディストピアのサイバーパンクアートまで、さまざまなウェアラブルが紹介された。また、MVFWやファッションにおけるメタバースイノベーションをリードするテクノロジーについてのパネルディスカッションも行われた

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