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87.5%の女性SNSユーザーが美容系ブランドをフォロー。この好機を活かすには

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英国ベースの美容業界ニュースメディアの調べでは、TwitterやFacebook、インスタグラムなどを利用する女性のSNSユーザーの87.5%が、何らかの美容系ブランドをフォローしていると判明した。正しいアプローチをしさえすれば、企業が潜在的な顧客を掘り起こすことはまだまだ十分に可能というわけだ。欧米の化粧品メーカーが始めているソーシャルメディア戦略事例を検証し、今後のヒントを探る。

Cosmetics BusinessとYour Beauty Clubが共同でおこなったサーベイは、現在のコスメ好き消費者がSNSと美容ブランドをどのようにみているかを明らかにするもので、短い速報ながら、色々と興味深い結果が出ている。

Image: Le Buzz via Unsplash

美容系の投稿を積極的にフォロー、ただし内容には慎重

美容ブランドをフォローする女性SNSユーザーは87.5%にのぼり、そのなかで、最もフォローされている分野はメイクアップで92.5%、それにスキンケア(79.5%)、ヘアケア(65.5%)が続く。さらに、インフルエンサーによるチュートリアル動画を5人のうちの4人が視聴しており、動画を投稿している人のファンではないと答えたのは5人のうち1 人の割合で、大部分がお気に入りのインフルエンサーを持ち、積極的にフォローしていることがうかがわれる。

だが、投稿をする際は気をつけたほうがいいようだ。71%のユーザーが、ビューティ・インフルエンサーがスポンサー企業のためにした、マネタイズされた投稿は、そうではないものとの見分けがつくとし、65.3%が広告だとわかるように書くべきだと考えているからだ。

一方で、スポンサー付き投稿をみたあと、商品を買いたい気持ちになるかという質問には、48%がイエスで、52%がノーと回答。ノーの人のほうが多いものの、かなり拮抗した数字といえる。よくできた広告なら、欲しいという思いが刺激される可能性が高いことの表れとみるべきだろうか。

Image: kevin laminto via Unsplash

ブランドがインスタグラム・ストーリーズにシフトする理由

グロッシアー(Glossier)など美容サイト発のブランドはもとより、シャネルのような老舗の高級ブランドまで、美容業界ではいまやSNS上にオフィシャル・アカウントを持つのは当たり前。デジタル・マーケティングは広告活動の柱になっている。

なかでも、画像加工が容易で、美しい写真や動画で瞬間的に人々を惹きつけるインスタグラムは、化粧品メーカーにはうってつけの消費者にリーチする手段として、大いに活用されている。だが、ここにきて、その使い方に変化が出てきたようだ。ロレアルなど大手を含むいくつものブランドが、インスタグラム・ストーリーズ(Instagram Stories)へとツールをシフトしはじめている。

インスタグラム・ストーリーズとは、通常のフィードとは別枠で画像や動画をシェアする機能で、フィードでは時系列およびアルゴリズムによるおすすめ度によって投稿が流れてくるが、ストーリーズは画面上部のストーリーズトレイに表示される。

ストーリーズに注目が集まりだしたきっかけは、この3月にインスタグラムがアルゴリズムを変更したことにある。「なぜ、ある特定の投稿が毎日毎日決まってスクリーン上に現れるのか」というユーザーからのフィードバックを受けて、フィードへの干渉を減らし、投稿されたものが即時にあがるほうを優先するようにしたのだ。ユーザーにとってはよりフレッシュな情報にふれられる利点があるが、企業側には、これまでは自社アカウントをチェックしてくれた人に自動的に送られていた投稿が、届く頻度が減ることを意味し、痛手となった。

そこでストーリーズの「ハイライツ」機能に着目したのである。ストーリーズの投稿は24時間で自動削除されるのが特徴だが、投稿自体はアーカイブに残っており、プロフィールのところに自分の過去投稿を並べて表示できる機能がハイライツである。つまり、ブランドは、インスタグラム上にこれまでの投稿をまとめたライブラリーが持てるようになったわけだ。

出典:Instagram

しかも、1カ所で複数の投稿がまとめて見られるということは、チュートリアル動画や新商品のカラーバリエーションを告知するのにとどまらず、ブランドの思想や歴史、製品開発のプロセスなどの段階的な見せ方やシリーズ化が可能なわけで、一過性ではない、より深い物語が語れる。他社との差別化や顧客の取り込みという点でも、消費者に向かって一歩踏み込んだアプローチができるだろう。いわばオウンドメディアに近い役割を果たしてくれるのだ。

実際、反応は上々のようだ。ブランドのストーリーズのアカウントを訪れたインスタグラマーたちは、より長い時間、投稿をスクロールしてくれるようになり、見落としていた古い投稿をチェックするなど、通常のフィードの投稿に比べ、エンゲージメント率が格段に高まった。たとえば、キールズはフォロワーの8%がストーリーズの投稿を見ており、フィードのアップデートを好む2%のユーザーの4倍いると明かしている。

ことさらに好意的な“フェイク”レビューは逆効果

冒頭で紹介したサーベイからもわかるように、企業やインフルエンサーによるSNSへの投稿はもはや人々の生活の一部に組み込まれている。別の調査でも、ビューティプロダクツをオンラインで買う際は、SNSの商品レビューをチェックしてから購入する人は57%にのぼる。だが、より多くの企業がインフルエンサーとパートナーシップを結ぶようになっている今、ネット上にはSNSアカウントで収入を得る方法を指南するサイトが氾濫し、投稿内容が本当に信頼できるのか、消費者が不安と不信を覚えはじめているのもまた事実だ。そして企業にとっても、契約しているインフルエンサーがわざとポジティブな“フェイク”レビューを拡散することは決してプラスには働かない。

Image: Sydney Sims via Unsplash

こうした状況に応えるように、データ解析が専門の企業Fakespotは、AIによる商品レビューの真偽判定ページを公開している。Amazon、Yelp、TripAdvisor、App Storeにあげられている商品レビューをサイトページにペーストすると、「解析エンジンは投稿者の疑わしく好意的な態度を感知しました」などと診断してくれる仕組みで、同社は企業向けに、サイトからフェイクと思われるレビューを自動的に削除するサービスも提供している。

また、商品レビュー専門プラットフォームinfluensterは、300万人のメンバーから寄せられる、実際に使用した感想レビューを2,400万件掲載している。一部の投稿者は感想を書いた謝礼として商品を無料で受け取る場合もあるが、Influensterはあくまで、自社製品に対する消費者の本音を知りたいブランドのためのサービスであると強調し、投稿者は対象商品が好きであろうが嫌いであろうが、思ったままを書く権利があり、批判的な意見が採用されないなどということは全くないとする。

エシックスに重きをおく世代へのアプローチ

Image: Elijah O'Donell via Unsplash

マーケットとして存在感を高めているジェネレーションZは、真の意味で「デジタル・ネイティブ(生まれたときからSNSが日常に存在していること)」と呼べる初めての世代だ。世界的なテロが頻発し、フェイクニュースが社会と政治を揺るがす環境で育ち、経済の停滞を経て、景気が上向きつつある現在を体感している。彼らは総じて、真面目で良心的で、倫理を重んじ、情報収集にたけていて知識が豊富、その反面、何が起こるかわからない世の中をみてきた結果、過度に心配性な傾向があるとされる。

このような消費者とつながり、その心をつかみたいなら、マーケティングにおいて企業が大切にすべきは、つまるところ「正直な姿勢」だ。実際に、インターナショナルにジェネレーションZの支持が厚いインフルエンサーの多くは、「自分が本当に良いと思ったスポンサーとしか付き合わない」という意思を表明しているケースがほとんどだ。公正かつ率直であること、すなわち王道こそがいちばんの正道といえる。

Text: そごうあやこ(Ayako Sogo)
Top image: rawpixel via Unsplash

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