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デジタル薬からヘルスケア分野のテクノロジーまで美容領域から考える可能性

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デジタルメディスンやデジタル薬などを含め、テクノロジーをベースとした治療や健康サポートの研究開発が、この2~3年活発になってきている。美容業界でもP&Gや資生堂がヘルスケアを含めた美容領域へのアプローチとして、スタートアップへの支援や協業を始めている。現在のデジタル薬の状況から、デジタルによるヘルスケア支援、美容に近しいフェムテックやスリープテックなど、美容業界として知っておくべきトレンドを俯瞰する。

「デジタルメディスン」と「デジタル薬」定義の違い

まずは医療分野での活用だ。英語圏でデジタルメディスン(Digital Medicine)と呼ぶ場合と、日本語でデジタル薬という場合は、領域が若干異なるため、最初に英語と日本語の定義の違いを明らかにしておく必要がある。

デジタルメディスンとは処方薬と摂取可能なセンサーを組み合わせた医薬品で、患者が特定の時間に特定の容量の医薬品を服用したことが、モバイルやWebベースのアプリケーションに伝達されるように設計されているものを指す。

デジタルメディスンは、患者のアドヒアランス(ここでは薬を医師の指示通りに服用すること)を改善するのを目的としている。錠剤のなかに組み込むセンサーは、2012年にFDA(米国薬品医薬品局)によって、新しい低リスク医療機器として承認され、ヨーロッパではCEマークがつけられている。このデジタルメディスンが世界で初めて認可されたのは、過去記事でも取り上げた大塚製薬のABILIFY MYCITE®で、2017年11月にFDAの承認を受けた。

その後、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、心不全、C型肝炎、メンタルヘルス、HIV、TB、臓器移植といった、正しい薬の服用が不可欠とされる治療領域で、センサー付きのデジタルメディスンが処方されるようになっている。

その一方で、日本でデジタル薬といえば、病気を治療するためのアプリケーションソフト全般を指し、英語のデジタル療法(Digital Therapeutics)に近い。この分野では、認知行動療法にもとづき、うつ病、認知症、ADHD、不眠症、禁煙や薬物依存治療などのサポートもしくは改善を促す

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