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仏ロレアル出身の女性投資家が仕掛ける、BeautyTechミートアップ

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BeautyTechに関心のある人たちが世界各地で集まり、ネットワーキングしたり、ディスカッションを行おうという試みがサンフランシスコで始まっている。発起人は、仏ロレアルのブランド、ランコムのCEOをつとめ、現在は投資家として活躍する女性。2018年1月25日に行われたイベントの内容も含め、3回に分けてこのBeautyTechミートアップの背景をお伝えしよう。

@BeautyTechSFというコミュニティがスタートしたのは2017年4月。主催するのは、シリコンバレーの女性投資家、オディール・ルジョル(Odile Roujol)氏だ。フランス出身の彼女は、世界最大の化粧品会社ロレアルで最高マーケティング責任者と傘下のランコムのCEOを兼任し、パリ、ドバイ、東京、ソウル、上海といった様々な都市でキャリアを積んだ。(下の写真の中央がルジョル氏)

そんな彼女が投資家としての次の活躍の場を、ニューヨークでもなくLAでもなく、シリコンバレーに選んだのは、カリフォルニアという地域性にあると自身のブログで述べている。美しい自然と過ごしやすい気候、グローバルブランドを築くのに整ったエコシステム、そして、ボディとマインドを丁寧にケアする人々のライフスタイルにふれ、美容業界の起業家にとってベストの環境だと感じとった彼女は、この地で次代のイノベーションを応援すべくコミュニティを作ることを決意した。

2017年から投資家や起業家を自宅に招いて少人数のセッションを開き、のべ300人以上の起業家や投資家、大手企業の関連部署担当者が参加したという。今回のようなビューティ&テック・ミートアップ・イベントとして開催するまでに、すでに300人以上の起業家や投資家、大手企業の関連部署の担当者が参加している。

その後、「San Francisco Beauty&Tech meet up. Data&Mission driven」という大テーマを掲げて正式にグループを発足し、今年の1/25にイベントが開催された。登壇者のほとんどがサンフランシスコ、シリコンバレーに拠点を置く企業とスタートアップで、この地域でのBeautyTechの盛り上がりを感じさせる。

初回のテーマは、美容業界と小売業界向けに「小売業界の破壊的革新と新しいビジネスモデル(BeautyTech: Disruption in retail and new business models)」。目的はビューティやファッションの小売の新しいあり方をともに考え、関係者をネットワーキングすることにある。

まずは、登壇者の顔ぶれを紹介していこう。

ティナ・シャーキー(Tina Sharkey)
Brandless 創業者&CEO

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Brandlessはサンフランシスコに本社を置く、日用品ECサイトのスタートアップ。シンプルでスマートなパッケージデザインの商品は全て自社開発で、食品からコスメまで、どれも3ドル均一。コスパと効率を重視するミレニアル層がターゲット。驚きの低価格にもかかわらず、全部の商品がケミカルフリー、さらに、ほとんどがオーガニックで、フェアトレード、非遺伝子組み換えとなっているところが多くの共感を呼んでいる。自社サイトから直接消費者にリーチすることで、広告宣伝費や店舗コストを削減し、価格の引き下げを実現している。

メロディ・マクロスキー(Melody Mc Closkey)
StyleSeat 創業者&CEO 

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サンフランシスコ発の米国版『ホットペッパービューティー』ともいうべきStyleSeat。日本のホットペッパーと違うのは、サロンとのマッチングではなく、ヘア、ネイル、マッサージなどの各スタイリストたち個人とのマッチングだということ。顧客やスケジュール管理、データ解析、新規顧客の開拓など、個人スタイリスト側にも便利な機能やサービスが集約されており、2011年の創業以来、約1万6,000市に展開、全米のヘアスタイリストの30%が登録している。現在、売上は3千億円を突破しており、ニューヨークを拠点に1,000軒以上の高級美容サロンを網羅する検索・予約プラットフォームBeautyBookedを買収し、スパやサロンとの提携を推進している。

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出典:styleseat.com

ブリット・モリン(Brit Morin)
Brit + Co 創業者&CEO

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ブリットが創業したBrit + Coは、DIYのショッピングガイドとライフスタイルのキュレーションメディアの機能の両方を兼ね備えており、コンテンツで興味と需要を生み出し、潜在層にアプローチできるメディアとして評価を得ている。ポップな記事と画像により人々の潜在的な購買欲求を引き起こすとともに、読者からの投稿をつのりソーシャルメディアの役割も果たしている。ヤフーのマリッサ・メイヤーCEOからも出資を受けるなど、業界内での支援者が多い。ブリットの夫は、クローズドSNSとして知られるPathのCEO、デイブ・モーリン。

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出典:brit.co

ブラッド・マレー (Brad Murray)
Tatcha 代表取締役&共同創業者

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Tatchaは、ホリスティックなスキンケアを探し求めて京都を訪れた共同創業者のビクトリア・ツァイが、芸妓に象徴される日本の伝統美と高度な職人技にインスパイアされて誕生した高級化粧品ブランド。緑茶、沖縄産の紅藻、米ぬかなどを配合した商品は、クルーエルフリーでもあり、日本発ブランド以上に、日本らしいブランドとして、米国の消費者から注目されている。

ホリー・シーゲル(Holly Siegel)
セフォラ クリエイティブディレクター兼グローバル戦略室

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Vogue、Glamour、NYLONのファッション雑誌でディレクターを務めたのち、現在は、セフォラでブランド戦略、広告戦略、ターゲティング、データ管理を統括する。メディアとしてのトレンド予測の知見、現職にてデータからトレンドを予測するホリー・シーゲル氏の知見は説得力に富んでいると評判。

フレデリック・ベンキュー(Frederic Benque)
Credo Beauty 取締役 

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Credo Beautyは、肌の健康に対する正しい知識をもとに、肌に有害な成分を含まず、動物実験をしない、オーガニックなど、いわばクリーンなアイテムを世界中から厳選するセレクトショップ。オンライン中心に、リアル店舗やスパも運営している。

アラン・リヴァ(Alain Revah)
Poshmark Vice President

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カリフォルニアに本社を置くPoshmarkは、服やアクセサリーなどを個人間で売買するフリマサイトを運営。取り扱う商品は、女性をターゲットにファッションに特化しており、2017年の収益は100億円とされる。2017年11月に、シリーズDで約99億円の資金調達を行い、アマゾンのアレクサと連携する音声ショッピングサービスを始めるとも発表した。創業者のManish Chandra氏が、以前ファッションコミュニティを運営していたこともあり、ユーザー同士がサポートしあうコミュニティ要素も重視している。

セス・ゴールドスタイン(Seth Goldstein)
Beauty streamer 共同創業者

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メイク好きのためのライブコマース「Glamcam」を運営するLA発の企業Beauty streamerの共同創業者。インフルエンサーをはじめとするユーザーが普段のスキンケア方法やお勧めのメイクをライブ動画で配信、視聴者はリアルタイムで質問やコメントをしながらショッピングができる。ゴールドスタイン氏自身は、シリアルアントレプレナーでもあり、エンジェル投資家やスタートアップのメンターとしても活躍。

以上が今回のイベントで登壇したスピーカーとそれぞれの会社内容だ。このほかにも、AIやAR、3D技術を小売業や美容業界に導入するサービスを提案するスタートアップのファウンダーが多数招かれており、ハリウッド女優のジェシカ・アルバがプロデュースするオーガニック通販サイトHonest Companyの初期投資に関わったLightspeedのニコル・クイン(Nicole Quinn)などの大物投資家たちも集まって、新しい才能との出会いの場として大いに機能していた。

次回は「小売業界の破壊的革新と新しいビジネスモデル」のテーマに基づき、実際に彼らが語った小売業界のトレンドについての考察を紹介していきたい。

Text: 高橋クロエ(Chloe Takahashi)

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