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メタバース参入を発表したパーフェクトが考える、美容ブランドがとるべきアプローチ

美容業界でもメタバースへの関心・期待が高まる一方、具体的にイメージがつかみにくく、どうアプローチすべきかに苦慮するケースも多い。ARメイクアップにおいて、業界の標準ともいうべきデファクトスタンダードの立ち位置を築いたパーフェクトは、CES2022でメタバース参入を発表した。同社ではメタバースをどのように捉え、次なる戦略を描いているのか。パーフェクト株式会社 代表取締役社長 磯崎順信氏に話を聞いた。

パーフェクト株式会社 代表取締役社長 磯崎順信氏
プロフィール/ デジタルメディアテクノロジー関連の外資系ベンチャー企業の日本代表等を経て、2015年にPerfectCorp.の日本法人の立ち上げより現職で参画。バーチャルメイクアプリ「YouCam メイク」をはじめ、AI/ARによる新しい消費者エンゲージメントプラットフォームを多くのブランド・小売店・メディアに向け提供し、エコシステムを確立。プロフィール写真は本人アバターアイコン

メタバースは次世代の巨大なタッチポイントである

—— AR・AIを駆使したバーチャルトライオンを提供するパーフェクトとして、メタバースについてどのようなイメージを持っているか

磯崎氏:まず現実的な将来像として、メタバースの世界ではいずれ、現在のインターネットで行われている検索、ショッピングなどの行動が、今と同じようにできることになると考えている。ただ、その際にスクリーン、モニター、マウスなど旧来のデバイスやインタフェースが介在することなく、すべてがバーチャルな巨大スペースのなかで行われるイメージだ。

これまで、グーグルやInstagramなどのプラットフォームは、たくさんの人が集まる場所であり、そこにブランドとのエンゲージメントが発生する大きなタッチポイントだった。メタバースそのものや、そこに派生する各サービスも間違いなく新たなタッチポイントになりうる。メタバース内でのSNSやショッピングプラットフォームなど、さまざまなプレーヤーが登場しては淘汰されていき、ブラッシュアップされたサービスが主要なポジションを築くだろう。弊社としては、人がたくさん集まる場所に質の高いエンゲージメントを置きに行くという現在のポジション、スタンスを変えずに、新たなプレーヤーと関係を構築しメタバースに適応していきたい。

—— パーフェクトは、CES2022でメタバース関連施策を発表したが、どんな理由や背景があって決断したのか

磯崎氏: 我々はこれまで、AR/AIを駆使して、リアル・フィジカルな世界とデジタル世界の橋渡しをするビジネスを展開してきた。そのため、我々が保有するテクノロジーの位置づけは、メタバース観点でもかなり好立地にあると客観的にも分析しており、そのままの状態で使える可能性が高いと考えている。

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