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花王やPerfect Corp.のデジタル識者たちが考えるリアル店舗の意義、消費者との絆

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コロナのパンデミックはビューティ商材に対する消費者行動に大きな変化をもたらした。“ニューノーマル”な生活を送りはじめた消費者に、今後どのようにアプローチしていくべきか、企業やブランドは悩み、模索している。2020年6月24日に開催されたオンラインセミナー「Beauty Tech Forum vol.4」での意見交換から、答えを見いだすためのヒントを探る。

ARとAIを活用したソリューションサービスをグローバルで展開するPerfect Corp. とBeautyTech.jpが共催するウェビナー「Beauty Tech Forum vol.4 」。「これからの消費者に対するアプローチ」をテーマに、ゲストスピーカーとして、花王株式会社 マーケティング創発部門コンシューマーリレーション開発部 部長の鈴木愛子氏を迎えて開催された。約1時間のセッションは、視聴参加の申込み時に企業やブランドから寄せられた質問に、鈴木氏や、ホスト役を務めるPerfect Corp.代表取締役社長の磯崎順信氏、BeautyTech.jp編集長の矢野貴久子の3名が回答する形で進められた。

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バーチャル技術はリアルを補完する役割

ECでの売上が伸長する一方で、営業を再開した店舗への客足は思うようには戻っていない。感染防止策として衛生面や安全面に配慮し、化粧品のテスターやタッチアップなどのサービスを取りやめたのに加え、対面接客にも制約があり、小売の現場は不自由を強いられている。ARバーチャルメイクアップなど非接触型販促ツールの導入に踏み切る企業も増えるなか、「テスターはこのままなくなるのか?バーチャルでどこまで購買意欲をそそることができるのか?」と不安を抱く化粧品ブランドも少なくない。

磯崎氏は、それに答え、自社のYouCamメイクなどのバーチャルカラーシミュレーターは「テスターやサンプルに取って代わるものではない」と断言する。「リアルorデジタルと二項対立的に考えるのは違うと思う。デジタルはリアルのリプレースにはなりえない。どちらも顧客接点であり、それぞれのエンゲージメントがある」とし、ARバーチャルの技術は、ネットのクチコミなどと同じく、きっかけづくり、認知度アップ、ターゲットの絞り込みという、ユーザーが購入するまでのジャーニー上に存在するもので、あくまで商品選びと購買意欲をあと押しする方法の1つだとする。

あわせて、オンライン上のさまざまな情報を総合的に判断し、実物を試さずに買うことができる人はもちろんいるが、それを妥協と感じたり、抵抗を覚える人もかなりの割合で存在していると指摘する。

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パーフェクト バーチャルカラーシミュレーター
提供:Perfect Corp.

鈴木氏は「店舗でのテスターの役割は何で、顧客に何をもたらしていたのか」という顧客側の心理に立って、今一度考えてみることをすすめる。仮に商品そのもの、たとえばボトルの見た目や手触り、持った重みとか、中身のテクスチャー、色や質感を体感するなどの実体験とリスクを天秤にかけて、リスクが大きいと感じたら、顧客はテスター使用や店舗に訪れるのを避けることにもなるだろう。

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