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AI評価、信用評価の仕組みで米ナスダック上場の中国美容整形プラットフォーム「SoYoung」

◆ English version: China’s cosmetic surgery platform SoYoung lists on the Nasdaq
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米中貿易戦争が激化する最中の2019年4月8日、ある中国企業が米ナスダックに上場した。企業の名は「SoYoung (北京新氧科技)」。同社は美容整形に特化したO2Oプラットフォームを展開し、競合が多数存在するなか、ユーザーから圧倒的な支持を得ている。SoYoungが短期間で急成長した要因と、中国における美容整形市場について分析してみたい。

まず中国の美容整形市場の概観について見ていこう。SoYoung が発表した「新氧2018年医療美容業界白書」によると、2018年の市場規模は前年比27.6%増の2,245億元(約3.52兆円)。急成長を続ける美容整形市場は、2019年第1四半期(1~3月)の決算報告での金星CEOの予測によれば、2023年に3,600億元(約5.65兆円)に達するという。

意識変化で急成長する中国の美容整形市場

では、中国の美容整形市場にはどんな特徴があるのだろうか。中国の調査会社・MobData研究院が発表した「2018医療美容業界研究報告」によると、「非手術」すなわちプチ整形をするユーザーの割合が高く、2017年は施術全体の71%を占めている。その比率は年々、徐々に上昇している。

SoYoungの競合である「更美(北京完美創意科技)」が発表した「2018中国医療美容業界白書」によれば、人気の高い施術はヒアルロン酸注射、ボトックス注射、二重手術、鼻整形全般、フォトリジュビネーション、脂肪注入、脂肪吸引、ウルセラ、レーザー脱毛、水光注射となっており、やはりプチ整形の割合が多い。ただし、前掲の「新氧2018年医療美容業界白書」によれば、最近需要が急拡大しているのは、女性器の整形(ラビアプラスティ)で、伸び率127%と驚異的だ。以下110%のピコレーザー(シミ、くすみに効果的な治療機器)、90%のスレッドリフト(針と吸収糸を用いたリフティング法)、69%の生え際植毛と続く。

美容整形市場が急成長している要因は、整形に対する意識の変化にある。韓国のように、整形は隠すべきものではなくなってきているのだ。同白書によると、一般の中国人が整形に対し、「理解できない」と答えたのは15.9%に過ぎない。「手術を受けてもいい」と答えたのは4.9%だけだったが、「プチ整形なら受けてもいいと答えた人」は36.9%に達している。若者の利用者が増えていることも、美容整形への意識が変わってきている要因だ。

ユーザーの年齢構成をみると、2017年は36歳以上が4.0%、31~35歳が18.7%、26~30歳が24.7%、20~25歳が37.1%、19歳以下が15.4%だったのが、2018年はそれぞれ3.3%、14.1%、23.2%、40.4%、18.8%と、1995年以降に生まれた「95后」と2000年以降に生まれた「00后」のシェアが拡大している。

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出典:SoYoungの公式サイト

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