資生堂や花王、@cosmeも出店を発表。中国・海南島のトラベルリテール最前線
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“中国のハワイ”とも称され、離島免税制度のある経済特区の海南島に向けて、欧米や日本ブランド、リテールから熱い視線が注がれている。中国本土の化粧品市場が減速するなか、ポストパンデミックのトラベルリテール市場のけん引役になることが期待される海南島の現況と、進出に拍車をかける大手グローバルブランド各社の動向を紹介する。
海南島における免税市場規模は年間で1兆円超
ゼロコロナ政策が中国経済に深刻な影響を及ぼすなか、注目を集めているのが、南シナ海に浮かび、ハワイと同緯度に位置する中国最南端の島、海南島だ。面積は九州よりやや小さいくらいで、常夏のビーチリゾートとして近年、大規模な開発が進められてきた。現在、中国では依然として海外旅行に行くのは難しく、離島免税制度が適用される海南島は気軽にリゾート気分を味わいつつショッピングが楽しめる観光地として、中国国内から多数の観光客が訪れている。
リゾートアイランドでありながら、免税店での買い物が観光客の主要な目的の1つとなっている海南島においては、中国政府も消費を重視しており、2020年7月に海南島の免税政策の規制を緩和。免税購入の限度額が年間3万元(約61万円)から10万元(約204万円)に引き上げられた。また、化粧品の購入数の制限が1人12個から30個に拡大された。
こうした規制緩和が功を奏したとみられ、海南省の商務庁によると、2021年の免税販売は前年比83%増の504億9,000万元(約1兆300億円)に達した。2022年8月現在で海南島には10の大型免税品モールがあるので、1店舗あたり1,000億円を売上げた計算だ。
中国政府は、海南島を2050年までに香港と同じ「自由貿易港」にする目標を掲げている。香港の国際的地位が低下するなか、海南島の“自由度”を上げることでプレゼンスを高めたい狙いがあるとみられている。
売上高を品目別にみると、美容関連商品のボリュームは大きい。海口税関によると、規制緩和された2020年7月から2022年6月までの免税販売額は906億元(約1兆8,482億円)に達し、内訳は化粧品、腕時計、ネックレスがトップ3だったという。
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