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中国ブランドとして着々と成長する「自然堂」と「百雀羚」、それぞれの市場開拓戦略

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拡大を続ける中国の化粧品市場は、高価格帯のシェアをグローバルブランドが独占する一方で、中価格帯以下では中国ブランドがシェアをじりじりと伸ばしており、競争はますます激化している。中国の化粧品新興ブランドと老舗ブランドをひとつずつ取り上げ、これまでの展開と今後の方向性について分析してみたい。

まずは、中国ブランドが中価格帯で台頭してきている背景からみてみよう。“爆買い”が話題になるずっと以前から、日本の化粧品は中国で人気が高かった。潮目が変わったのは2014年9月、日本政府による尖閣諸島国有化だ。中国各地で反日暴動が起きたのは記憶に新しい。化粧品に限らず、日本ブランドはそれから冬の時代を迎えることになるが、その隙に入り込んできたのが韓国コスメである。

韓国は官民挙げてコンテンツを海外に輸出し、韓流ブームを仕掛けることで化粧品を含む韓国製品全般のブランドを高めてきた。中国でも同じ戦略が取られ、ドラマや映画の放映だけでなく多くの韓国人タレントが中国に進出。その計算されたスタイリングやルックスからファッションや化粧品の広告塔としても機能し、韓国人タレントの人気が広がるのにあわせて、韓国化粧品は着実にシェアを伸ばしてきた。

しかし、2017年、米国の要請で韓国政府がTHAAD(高高度ミサイル防御システム)を配備してからは韓国コスメにも逆風が吹き荒れることとなる。ミサイル配備に反発する中国は、韓国人タレントのテレビ出演を禁じ、一気に反韓ムードが漂った。韓国コスメブームも下火となり、中低価格帯についてはブランドの撤退が相次いだ。それにとって代わるように台頭してきたのが現地の中国ブランドだ。

“毛沢東戦略”でシェアを侵食する新興「CHANDO」

中国の化粧品ブランドは21世紀に入ってからその数が急激に増加している。2001年設立のJALA(伽藍集団)によって同年たちあげられた人気ブランド「CHANDO(自然堂)」もそのひとつだ。CHANDOはJALAの主力ラインであり、自然成分と科学技術を売りにしたスキンケア中心のブランドだ。

原料には、ヒマラヤ山脈の標高5,128メートルの氷河から採取した水を使用。不純物がなくミネラルを多く含むため、皮脂膜を保護するなどの効果があるとうたっている。また、フランスから三次元皮膚モデルの技術を導入し、中国人の表皮細胞を培養し研究を重ねることで東洋人の肌に合った商品開発をしているという。ターゲット層は「Z世代(1995年から2008年のあいだに生まれた世代)」を想定。それを意識してか、メンズ向けアイテムも揃えている。

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