中国「90后」が牽引する抗衰老=アンチエイジング化粧品市場、中国ブランドの躍進も
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中国では近年、現地で抗衰老と呼ばれるアンチエイジングに対する消費者ニーズが高まっている。欧米や日本ブランドだけでなく、中国ブランドに対する信頼感も上がっており、高価格帯から低価格帯まで人気ブランドが登場している。中国ブランドの状況と、その背景について取り上げる。
中国アンチエイジング市場は2027年2兆円超に成長
中国のソーシャルネットワークWeiboを運営するSina(新浪)系の調査機関、微熱点研究院が発表した「アンチエイジングスキンケア業界インターネット注目度分析レポート」によると、2020年の中国のアンチエイジング市場規模は646億元(約1兆1,499億円)で、スキンケア用品市場全体の28.8%を占めた。市場調査会社Research And Marketsでは、中国のアンチエイジング製品市場は2027年に184億ドル(約2兆976億円)まで拡大し、2020年から2027年のCAGR(年平均成長率)は10.5%と予測している。
もともと中国の化粧品市場は、スキンケアが占める割合が大きい。中国の調査会社 前瞻産業研究院によると、中国の2020年の化粧品市場規模は732億ドル(約8兆4,000億円)だったが、スキンケア用品の市場規模は412億3,000万ドル(約4兆6,796億円)で、全体の6割近くにのぼる。スキンケアに対する知識が増え、日々のケアに化粧品を使用することに慣れた中国のユーザーが、より高機能を求めてアンチエイジングに向かうのは自然な流れといえるだろう。
日本でも若い世代からのアンチエイジングへの関心が出てきているといわれるが、中国ではさらにそれが顕著だ。「90后(1990年以降生まれ)」を中心とする比較的若い層でアンチエイジングへの関心が高く、先述の分析レポートによると、2021年1月1日から7月31日までの期間、アンチエイジング化粧品に注目するネットユーザーの年齢分布を解析したところ、21~30歳が60.8%と大きな割合を占めた。
その関心の高さが購買につながっているようで、第一財経商業データセンター(CBNData)が、資生堂とヤーマンが展開する美容機器ブランド「EFFECTIM」と作成したレポートによると、2020年にアンチエイジングケアを目的とした単価1,000元(約1万8,000円)以上の商品を購入した人は、「85后」と「90后」が最も多かった。
分析レポートでは、同期間中にアンチエイジングの観点から話題になったハイエンドブランドを集計し、ランキングしている。その結果は、1位がエスティ ローダー、2位がロレアル、3位がランコム、4位が資生堂、5位がSK-Ⅱだった。ほかに日本ブランドでは、クレ・ド・ポー ボーテが19位、コスメデコルテが25位にランクインした。
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