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化粧品のラスト1ミリ、「購入後から肌まで」をテクノロジーで最適化するソリューション

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ARトライオンやAIレコメンドなど、購入に結びつけるまでのプロセスを最適化するソリューションは一般化しているが、買った商品を実際に肌につけるところまでを最適化するサービスはまだ未開拓の領域でありホワイトスペースだ。そこに、P&GのOPTEやNASAが支援したDropletteなど、新しい発想で肌までの「ラスト1ミリ」をカバーするソリューションが登場している。

購入後の肌までの「1ミリ」、使用をサポートする考え方

ARを使ったバーチャルトライオン機能やAIを使ったレコメンデーションなど、新たな技術が化粧品小売の世界で活用されるようになって久しい。こうした事例はこれまで、主に商品やサービスが購入される前の段階を最適化し、よりスムーズに購入に結びつけることに主眼が置かれていた。

だが、顧客満足をより確実にし、それ以降のリピートにつなげるのは、購入後にその商品を使用したときの体験だ。従来、いったん購入された化粧品が適切に活用されているかどうか、購入目的を果たせているかどうかのフォローアップは、ほとんど行われてこなかった。リアル店舗での接客を介した販売であれば、たとえばカラーコスメ製品の場合、使用方法の説明や、ときにはタッチアップのサービスもあるものの、店頭でのメイクアップを自宅で再現できるかどうかはユーザー頼みとなっている。流通のラストワンマイルは最適化されていても、ユーザーがそれを実際に肌にのせる、いわば「ラスト1ミリ」はほぼ未開の領域だ。

たとえばアイメイクの入れ方でも、どこにどうアイラインをひくのか、あるいはカラーをのせるべきかは、各自の好みや表現したい表情によって異なり、まさに1ミリ単位で成否が分かれてしまう。またスキンケアでも、使用している商品が本当に肌に合っているのかどうかの判断は、よほど明らかな変化がない限り難しいため、ユーザーは半信半疑で使い続けることになる。

しかし最近では、この半信半疑を確信に近づけるような技術やサービスが徐々に提案されつつある。以下にそうした事例をみていく。

ベースメイクを誰でも最適化、従来の3%量でカバーするOPTE

メイクアップにはシミやそばかすなどをカバーするベースメイクと、アイシャドウやチークなどで顔のパーツをより美しくみせるポイントメイクがある。前者の最適化を突き詰めたデバイスが、P&Gの社内スタートアップスタジオ、P&G Venturesが開発したOPTEだ。

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