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ロレアル、ユニリーバ、エスティ ローダー。2020年下半期デジタル施策総まとめ

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2020年下半期の化粧品売上上位6社のデジタル施策と事業開発をまとめた。2020年下半期はパンデミックによる変化への対応が素早く、柔軟にできた企業が大きな成果をあげた。ロレアルはトップ企業らしくコロナ後の世界を見据えた戦略を発表、エスティ ローダーは迅速なデジタルシフトが好結果を生んだ。今回は6社のうち1位~3位企業のロレアル、ユニリーバ、エスティ ローダーについて紹介する。4位~6位企業については次回に紹介する。
※ランキングは、BeautyPackaging のTOP20 GLOBAL BEAUTY COMPANIESより

コロナ禍とその後へ、それぞれの積極的な攻めがみえた3社の動向

2020年上半期デジタル施策総まとめ」にもあったように、2020年上半期の化粧品業界は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応モードに突入した。そのなかでも迅速に課題を特定しながら戦略シフトをし、すべてのステークホルダーへの真摯な対応をした企業と、対応に遅れが目立った企業で、売上・シェアの明暗が分かれた。2019年から引き続き、「持続可能性」「社会的責任」は当たり前のものとなり、各社とも気候変動対策などを粛々と進めつつ、売上アップのためのデジタルシフトを積極的に行った。

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ロレアル、ユニリーバ、
エスティ ローダーの株価の動き
出典:Yahoo Finance

株式市場では、上半期と同様エスティ ローダーが高く評価された。S&P500指数の2020年下半期の平均上昇率が19.31%で、ナスダック総合指数が26.24%だったのを上回る、35.14%という結果を出している。エスティ ローダーが好調な理由は、パンデミック下でスキンケア製品の需要が急増したためで、それ以前から営業利益に大きく貢献してきたスキンケア部門が同社を支えた。

グローバル市場では、ロレアルとエスティ ローダーが高品質化粧品とみなされ、ほかに大きなプレーヤーがいないこともこの2社が好調の理由だと評価されている。だが、コルゲート・パルモリーブなどが買収を通じて収益性の高いスキンケア領域の拡充を図り、資生堂やバイヤスドルフなどもスキンケア領域を強化するなど競争は激化するとみられている。こうした理由により、エスティ ローダーは高く評価されすぎているという指摘もある。

ロレアルもエスティ ローダーも、地域及び製品ポートフォリオの両面から全方向戦略をとっていることで知られるが、特にロレアルは中国、インドなどの新興国マーケットへも積極的な拡大を進めた。

ユニリーバはプレミアムやナチュラル製品へのシフトを進めているものの、やはりCOVID-19の影響で2020年12月決算は売上高前期比2.4%減だった。

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