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資生堂Optune、米OKUなど、美容IoTデバイスが「使い続けられる」条件とは

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昨今、さまざまな美容IoTデバイスが登場してきている。IoTデバイスを通して得られる肌データやその他膨大なデータは、ユーザー体験を豊かにするだけではなく、あらたなビジネス開拓にもなるからだ。しかし、そこには大きな課題がある。継続して長く使い続けてもらえるのかどうかだ。

美容IoTデバイスは、その可能性から、価格も決して安くはなく、気軽に買ってちょっと試すというよりはじっくり選び、使い続けることが前提になる。いったん気に入ってもらえれば、継続的なサブスプリプション型のビジネスが築けることもあり、大手からスタートアップまで、業種も化粧品や化学、家電メーカーなど多岐にわたって続々参入している。それぞれどんなアプローチあるいはビジネスモデルでユーザーの生活の中に浸透しようとしているのか。特徴的な美容IoTをとりあげてみていきたい。

肌データを測定するIoT製品が相次いで登場

2018年6月下旬、資生堂は開発を進める美容機器、オプチューン(Optune)の体験イベントを開催した。オプチューンは、専用スマホアプリと専用マシン・オプチューン・ゼロ(Optune zero)で構成された、IoTスキンケアシステムだ。まず、ユーザーがスマートフォンに肌の写真や関連データをアップロードすると、肌の状態や水分・皮脂量、などを客観的に測定することができる仕組みになっている。加えて、インターネットに接続されたデバイスが気温、湿度、紫外線量など外的要因、ユーザー各自の精神的コンディション、生理周期などさまざまなデータを組み合わせ分析。最終的に、おすすめするスキンケア製品の種類および分量を選択・提案してくれる。

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撮影:小野梨奈

β版の価格も発表になり、月額基本料金は900円(3ヶ月目から)、専用カートリッジが1本2,800円(1本あたり1.5ヶ月〜2ヶ月分目安、初回は5本購入の必要あり)、専用マシンと専用アプリは無料だ。1ヶ月あたりで考えると中価格帯スキンケアともいえそうだが継続のカギはずばりユーザーが効果を感じられるかどうかだろう。

米スキンテクノロジースタートアップ・mySkinは、肌の状態を測定するOKUというスマート美容デバイスを開発している。同社は、生物物理学者、整形外科医らによって2007年に設立された企業だ。ニュージャージー州に拠点を構えており、自社を「スキンケアコンサルティングテクノロジー企業」と定義している。

OKUのコンセプト動画

そのmySkin が開発を進めるOKUは、「スキンケアコーチ」という別称を持つ。各ユーザーがデバイスを顔にかざして肌をスキャンすると、連動したスマートフォンアプリに肌スコアが表示される。水分、テクスチャ、しわ、色素、皮脂レベルなどを細かくチェックすることができ、肌のタイプに合わせて、食・生活習慣、化粧品をおすすめしてくれる機能も搭載されている。いわばスキンケアのためのパーソナルコーチ的な存在だ。販売開始は2018年末とのことだが、その潜在的な需要への期待からか化学メーカー大手エボニックなどがmySkinにシリーズAとして出資するという報道もある。

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