図1

花王の新ヘアケアシリーズ、エッセンシャル flatがめざす、1つの技術でパーソナライゼーション

◆ English version: Kao’s new haircare product “Essential flat” allows for curl customization
New English article
◆ 新着記事をお届けします。以下のリンクからご登録ください。
Facebookページメルマガ(隔週火曜日配信)
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40sqf5598o

世界でヘアケア製品のパーソナライゼーションがトレンドだ。その主な手法は、髪質や髪の悩み、香り、ライフスタイルなどの質問に答え、それらを掛け合わせたパターンの中から、その人に最適な処方を届けるというものだ。花王のアプローチはある意味真逆となる。処方を変えるのではなく独自の技術で、1人ひとりが望む髪のくせづけが楽にできるという意味でのパーソナライゼーションを提案する。

日本人の毛髪は一見、直毛に見えるが、2人に1人がくせ・うねりで悩んでいるというデータがある。くせ・うねり悩みのある人は、アイロンやヘアドライヤーなどの熱器具の使用率が高く、中には30分以上かけてスタイリングをしている人がいることが花王の調査から明らかになった。こうした実態に着目し、熱することで髪の毛を扱いやすく、形付けやすくする成分をつきとめ、ヘアケアアイテムとして開発されたのが、2019年7月に発表された花王の新ヘアケアシリーズ「エッセンシャル flat(フラット)」(以下flat)だ。

画像1

シャンプー・トリートメント 各900円
セラム(1200円)
提供:花王
※価格は編集部調べ

カギとなったのが、毛髪繊維の細胞間に存在するCMC(細胞膜複合体)だ。ここは、細胞が生きているときは細胞同士を接着する役目をしているが、髪が角化して死んだ細胞になると、その主な役割は物質の通り道となる。これが今まで一般的に知られているCMCの役割であったが、花王は独自の研究を通じて、CMCの流動性が髪の形付けやすさにも強く関わっていることを見出した。

そこで花王は、CMCと親和性が高く、毛髪内部まで拡散し、CMCの流動性を高める独自成分として、くせ・うねり髪に浸透する「ときほぐし成分(GE-IS)」を開発し、熱スタイリング時に毛髪内部を柔軟にして、形付けしやすくする手法を確立。さらに、水道水中のカルシウムが髪の表層に吸着・浸透して硬化することで生じる髪のゴワつきを軽減するために、毛髪中のカルシウムを除去するコハク酸を配合。くせ・うねり髪の扱いづらさを徹底的に排除する処方を編み出した。

画像2

提供:花王

くせやうねりが気になる人は、スタイリング時にヘアアイロンを何度も髪にあてる傾向があるが、flatで洗髪し乾かしたあとは、120℃の低温で、ヘアアイロンをあてる回数が少なくても髪をまっすぐ形づけることができ、その結果、熱ダメージをおさえることもできる。洗髪後も、「くせ・うねりときほぐし成分」の約70%が髪に残留することがわかっており、flatを使い続けることで、扱いやすい髪に整えていく。

flatのコア技術である「くせ・うねりの研究は、ツヤの研究が発端だった」と話すのは、花王株式会社ヘアケア研究所 主任研究員 渡邊俊一氏。ツヤ研究を進めるなかで、くせがある髪の毛は直毛に比べてツヤがなく、パサつきやすいことがわかり、1990年頃からくせ毛髪質研究が本格的にスタートした。研究を通して、毛髪内部に存在する2種類のコルテックス細胞の分布の偏りが毛髪の形に影響していることを花王が人毛では初めて解明。さらに、くせの出る部位や状態は人によってさまざまであり、それに合った適切なケア方法があることを突き止めた。

ここから先は

2,302字 / 4画像

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

BeautyTech.jpは最新1カ月の記事は無料、それ以前の記事は全文閲覧が有料です。「バックナンバー読み放題プラン」をご利用ください。

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

「バックナンバー読み放題プラン」の法人・企業様向けプランです。社内限定で転用・共有していただけます。