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P&G、コティ、資生堂。2019年上半期デジタル施策総まとめ

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化粧品売上規模1位~6位企業の2019年上半期のデジタルと事業開発施策を2回に分けて解説する。後編は6社のうち4位~6位企業のP&G、コティ、資生堂について紹介したい(前編はこちら)。P&Gは積極的な社会的課題提起のマーケティングで消費者をつかみ、コティはラグジュアリーやプロフェッショナル事業を中心に事業再生に向けた新たな一歩を踏み出し、資生堂はアジア市場の強化を図っている。

※ランキングは、BeautyPackaging のTOP20 GLOBAL BEAUTY COMPANIESより

世界の消費者動向に大きな影響を与えるミレニアル世代の価値観に、市場が左右されていると前編でも紹介したが、そのなかで、4~6位の企業は、自社の市場確立のために、それぞれの得意領域や課題克服のために動いた2019年上半期であった。

P&Gは、2018年下半期に、製造コストの上昇などから値上げ戦略を実施し、消費者離れが懸念されたが、昨年に引き続き、ダイバーシティや環境問題などの社会課題にコミットする姿勢を明確にしたデジタルキャンペーンを打つことで、カスタマーの心をつかむことに成功。そのマーケティング手法も、カンヌ・ライオンズなどで高く評価された。

コティは2018年11月に就任した新CEOのもと、コンシューマー事業の立て直しに奔走してきたが、株価低迷に歯止めがかからず、2019年2月に親会社がプレミアムをつけた公開買い付けを行うことで株価が持ち直すドラマもあった。続く7月1日には大胆な再生計画を発表し、今後はラグジュアリーとプロフェッショナルブランドを軸に成長領域を模索しながら、コンシューマー・ビューティなどの不採算事業の整理に入る。世界のトップ10ビューティ企業に残れるのかどうか、これからが正念場となる。

資生堂は、アリババやワトソンズグループと戦略的提携を結び、販売網だけでなく商品開発でも協業することでアジア市場での存在感を高めるベく積極的に動いた。

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