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中国PROYA、R&D強化と社会性のあるマーケティングで時価総額9,000億円の評価

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2022年の中国の厳しいロックダウンの影響もあり、低迷する化粧品市場でも好調を維持したのが、中国ブランド「PROYA(珀莱雅)」だ。Z世代を意識した、社会性のあるマーケティング手法でも知られる同ブランドのマーケティング手法と今後についてレポートする。

20年の歴史を持つ中国ブランド、3段階を経て成長へ

珀莱雅化妆品股份が運営する「PROYA(珀莱雅)」は2003年にローンチ。海洋成分の配合を特徴としたスキンケアシリーズを中心としたブランドだ。

創業者の侯軍呈氏は化粧品ビジネスの世界においては異色の経歴をもつ。16歳で父親を亡くした侯氏は学校を中退し、自転車修理業に従事。20歳で起業し、自動車修理工場を立ち上げた。化粧品業界に転身したのは、義理の兄がきっかけであり、その義兄の影響で中国最大の卸売市場がある浙江省義烏市で化粧品の買い付けをはじめたという。

1990年代の中国の化粧品市場は海外ブランドの偽造品や模倣品、品質が劣悪な品が多く出回っていたこともあり、化粧品販売事業の初年度は赤字だった。そこで侯氏は方針を変え、信頼のおける中国ブランドの「MININURSE(小护士)」や「YUE SAI(羽西)」「Dabao(大宝)」などの代理販売をはじめた。これにより一定の利益を得たが、MININURSEがロレアルグループに買収されたのを受け、代理店ビジネスは長くは続かないと考えた侯氏は、独自のブランドの立ち上げを決心したとされる。

招商証券のレポートによると、PROYAの成長は3段階に分けられる。ローンチ直後の第1段階では、低価格な乳液などの基礎化粧品を主力としていた。上海証券取引所に上場した2017年以降が第2段階で、フェイスマスクがヒットし、ライブコマースに力を入れたことが後押しとなり、急成長した。

第3段階は研究開発に力を入れ始めた2020年以降のフェーズだ。2021年にドイツの大手化学会社BASFと提携し、抗糖化に優れた独自成分Collrepairを開発するなど、原材料にこだわり抗酸化や抗糖化に特化した美容液を発表。アンチエイジングを前面に打ち出し、同美容液の大ヒットにつなげた。

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