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「高価格帯フレグランス」「トラベルリテール」「宇宙美容」がキーワード【海外トレンド2021年10-11月】

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毎月1回、ビューティ業界にインパクトを与える海外ニュースを俯瞰し、注目すべきポイントと報道の裏側にある背景を解説。グローバルな視点からビジネスの潮流を紐解く。今回はパンデミック後に復活めざましい欧米の香水市場とトラベルリテール、エスティ ローダーの宇宙での美容研究について。

【追記あり】2021年11月22日

欧米で香水市場がV字成長の兆し、異業種やセレブの参入も続々

出典:Cosmetics Business

★注目ポイント
欧米のプレステージビューティ市場の復活を牽引する香水カテゴリー。プレゼント需要も増えるホリデーシーズンをにらみ、2021年10月は異業種からの大手カード会社を含む新規参入ラッシュとなった。米国では同カテゴリーが50%増の急成長との予測もある。

欧米の美容業界は、パンデミックの悪影響から回復基調をみせている。なかでも米国のプレステージ(高価格帯)ビューティ市場は第3四半期の売上が前年同期比25%増を記録した。これに大きく貢献したのが、メイクアップと香水(フレグランス)の伸びである。調査会社米NPDの調べによると、プレステージメイクアップの2021年7〜9月の売上は前年比24%で17億ドル(約1,940億円)に達した。だが、それ以上の成長を示したのが香水カテゴリーで、パンデミック以前の2019年と比較した収益は38%増。NPDでは、大型セールやホリデーシーズンが到来することをかんがみ、2021年末には50%増にまで膨らむと予測している。

この“成功の香り”をいち早く予感したのか、2021年10月、米マスターカードが香水市場への参入を発表、香水ブランド「Priceless」をローンチした。コーポレートカラーの赤とオレンジの2種類のボトルで展開し「Priceless Passion」「Priceless Optimism」という前向きなネーミングにも同社の期待が感じられる。

同10月には、Z世代のスーパースター、ビリー・アイリッシュ氏も自身でプロデュースした香水「Eilish」をローンチしファンを歓喜させた。アイリッシュ氏が好きな身体のパーツというヒトの胸像をイメージしたボトルで、バニラを基調にアンバーやココアのノートが匂いたち、「クリスマスの日にぬくぬくと丸まっていたい気持ち」にさせる香りと、アイリッシュ氏はELLE.comで語っている。

このほかにも、メキシコの職人が大理石をひとつひとつ手作業で削って作るボトルキャップが特徴で、肌のためにヒアルロン酸を配合した「House of BO」。インドにインスパイアされたインテリアやファッショングッズを扱うラグジュアリーリテール「Good Earth India」の創業者が、ニューヨークの高級デパート、バーグドルフ・グッドマンでデビューさせた「LilaNur Parfume 」。世界初、空気でできている香水「Air Eau de Parfum」など、この秋は、単価200ドル(約2万3,000円)以上の高価格帯で新しい香水ブランドの誕生が相次いだ。

一方、ヘアケアやボディケアブランドがフレグランス領域に進出する動きも顕著だ。「モロッカンオイル」からは「Hair & Body Fragrance Mist」が登場。インフルエンサーが立ち上げたD2Cヘアケアブランドの「dae」も、2種類の「Hair + Body Perfume」をリリースした。ヒップケア用クリーム「Brazilian Bum Bum Cream」で知られ、ボディポジティブをうたう「Sol de Janeiro」もPerfume Mist Collectionやオードパルファンを商品ラインナップに加えた。

その背景には、シャワーや洗面所でシャンプーやボディケア製品を使い、香りを気に入ったユーザーから、普段の生活でもフレグランスを楽しみたいという要望がコンスタントに寄せられる現状があるという。ブランド側にとっても、香りはすでに商品開発の一部としてノウハウがあり新商品につなげやすく、ファンコミュニティが手の出しやすい新しい提案にもなる点が、フレグランス製品の開発に拍車をかけているとみられる。

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