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資生堂のオンラインカウンセリング、店舗やブランドの試行錯誤が生んだ顧客満足度

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資生堂ジャパンのCDO(Chief Digital Officer)スギモト トシロウ氏が推進する「人のDX」は、現場でどのように実現されているのだろうか。手探りでオンラインカウンセリングを構築していった伊勢丹新宿店のBC(ビューティーコンサルタント)チームの試行錯誤、そして2020年12月23日に行われたPerfect Beauty Tech Forumで語られたクレ・ド・ポー ボーテのオンラインカウンセリングなど、こうした現場を支えるオムニエクスペリエンス推進部の試みを紹介する。

BCの模索から始まった伊勢丹新宿店でのオンラインカウンセリング

資生堂ジャパンでは、2020年4月にCDO(Chief Digital Officer)としてスギモト トシロウ氏が着任した。そのスギモト氏の指揮のもと「とにかくなんでもやってみる」を掲げた資生堂は、さまざまなDXの試みを推し進めている。

伊勢丹新宿店の資生堂カウンターのメンバーによるオンラインカウンセリングの実施が決まったのは、2020年7月上旬だった。実施までの経過はまさに手探り状態だった。

「(新型コロナウイルス感染症対策として)自宅待機中の伊勢丹新宿店のBC(ビューティーコンサルタント)5名が、画面を通じたロールプレイングでトレーニングを開始。お客様が受けやすいよう短かい時間で、わかりやすく、そして、何より楽しいオンラインカウンセリングをという気持ちで、何度も練習をしながら準備を進めた」と語るのが、資生堂ジャパン株式会社 プレステージブランド事業本部 SHISEIDOブランド営業統括部長 二宮 久仁子氏だ。 

7月中旬まで、社内のメンバーで台本や応対フローを作り、BC同士で練習を重ね、7月下旬に実際に、伊勢丹新宿店のBCがオフィスからオンラインカウンセリングを始めた。短い準備期間での実施だったが、「コロナ禍ということで、BCたちの間でも、新しい方法でお客様と出会いたい気持ちが高まり、オンラインをやるしかない」と動きながら考え、スタートしたと二宮氏は振り返る。

二宮久仁子)

資生堂ジャパン株式会社
プレステージブランド事業本部 
SHISEIDOブランド営業統括部長
二宮 久仁子氏

競合他社がどうしているかの調査よりも、まずは「どうすれば、お客様の要望に沿って希望を叶える、資生堂らしいオンラインカウンセリングができるのか」に知恵を絞ることに集中したという。「メイクの場合、オンライン画面越しに実際にお客様自身に手を動かしていただくことになるので、何ミリ、どのくらいの角度かなどを細かく伝える必要がある。であれば、最初は手順などを確認しやすいスキンケアから始めようと考えた」(二宮氏)

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