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スタイラーが主導する、ファッションのニューリテールとアジア展開モデル

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中国をはじめとするアジアでの小売りビジネスの展開と拡大を目指す企業が、今、もっとも知っておくべきことは、同地域において新しいトレンドとなりつつある「ニューリテール」だ。日本ではまだ稀なこのニューリテールの推進者であるベンチャー企業スタイラーのケースを例に、ビジネスモデルとしての可能性を検証する。

中国市場での商品展開を目指す日本のビューティ業界のプレーヤーは、越境ECを重要視する傾向にある。もちろん、越境ECも1つの有効な手段ではあるが、中国における小売りのトレンドは刻一刻と変化を遂げており、とくに付加価値が高い商品を売る際には、以前の記事でも紹介した「ニューリテール」を理解することが不可欠だ。つまり、ユーザーの利便性とショッピングの楽しみを第一に考え、オフライン(実店舗)とオンラインのシームレスな購買体験を提供する、データドリブンなリテールモデルのことである。

今回は、ファッションアプリ「FACY」の運営元であり、ニューリテールモデルをさらに洗練させ、アジア地域を中心にファッションビジネスの展開を進める日本企業のスタイラーの動きに着目する。

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出典:FACY HP

オンラインとオフラインを繋ぐFACY

FACYには、契約している各ブランドや個々のリアル店舗のスタッフと、ユーザーが直接チャットでやりとりできる仕組みが備わっている。ユーザーが大まかなりにもテキストで自分の好みやリクエストを伝えると、店舗から返答やおすすめ商品情報が届くのだ。従来のECであれば、ユーザー自らが商品を検索して探すという作業が必要だった。しかしFACYでは、まるで実店舗を訪れたかのような“かゆいところに手が届く接客サービス”が、オンラインチャットを通して受けられる設計になっている。またFACYは、ファッショントレンドに関連したニュースや情報を、アプリ内のほか、提携している各メディアを通じて配信している。それらを考え合わせると、ファッションのためのソーシャル&リテールプラットフォームというのが、FACYの全体像といえるだろう。

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スタイラー株式会社
代表取締役CEO 小関翼氏

スタイラーの代表を務める小関翼氏は「我々(FACY プラットフォーム)はユーザーとブランド・店舗の接点となり、販売チャネルであると同時に、顧客が何を欲しているかなど、ニューリテールを展開するうえで必要な本質的なデータを数多く集めている。そのデータをもとに月間400~500本のコンテンツを流通させることで、需要と供給をマッチングさせている」と語る。

現在、FACYの月間のMAU(アクティブユーザー数)は100万人ほどで、順調に増えてきているため、FACYのプラットフォーム上で商品を売りたい店舗やブランドも増加傾向にある。現在のところ、日本で650店、台湾で250店がプラットフォームに参加しており、日々、オンラインで接客をしつつECで商品を販売している状態だという。

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